現在の日本競馬で活躍する必要な血統と系統10種類を解説

競馬では、距離・馬齢・馬場などにさまざまな条件をつけてレースが行われます。

レース適性などを判断するために必要な情報が、血統・系統です。

能力が100%判断できるというわけではありませんが、予想するにあたって必要な指標です。

この記事では、競走馬の血統・系統についてまとめ、それぞれの適性についてご紹介していきます。

目次 [非表示]

サラブレッド(競走馬)の血統
現在主流となっている競走馬の10大血統
①サンデーサイレンス系
②ヘイルトゥリーズン系
③ミスタープロスペクター系
④ノーザンダンサー系
⑤ナスルーラ系
⑥ハンプトン系
⑦セントサイモン系
⑧マイナー系
⑨マッチェム系
⑩ヘロド系
まとめ
サラブレッド(競走馬)の血統
競馬 芝

競馬において、出走馬の能力を判断する際は父の血統をたどっていきます。

その血統を順番に追っていくと、最終的に下記3頭に行き着きます。

ダーレーアラビアン
ゴドルフィンアラビアン
バイアリーターク
大半を占めるのがダーレーアラビアン系で、その血を引いている競走馬は99%近くに及びます。

現在の競馬で活躍する馬は、ほとんどがファラリス系(ナスルーラ・ネイティブダンサー・ターントゥ・ノーザンダンサー)の血統を継いでいます。

現在主流となっている競走馬の10大血統
現在、世界の競馬で活躍している競走馬の血統は、下記の10血統です。

サンデーサイレンス系
ヘイルトゥリーズン系
ミスタープロスペクター系
ノーザンダンサー系
ナスルーラ系
ハンプトン系
セントサイモン系
マイナー系
マッチェム系
ヘロド系
このうち、①~⑤までがエクリプス・ファラリスの血を引いた系統です。

⑥~⑩に関しては父系としては断絶し、現在は母系としてその特徴を伝えています。

ここからは、各系統ごとにその特徴と代表的な産駒を紹介していきます。

①サンデーサイレンス系
競走馬 サンデーサイレンス系

サンデーサイレンス系は現在の日本競馬で主流となる系統で、現在活躍するほとんどの競走馬がこの血統と言われています。

ディープインパクトがその代表格で、2000m前後の中距離レースにおいて最後の直線で一気に抜き去る瞬発力がその最大の武器です(ディープ系)。

ただ、スタミナやパワーに劣る点が弱点とも言われてきました。

しかし、サンデー系は現存する競走馬の約9割を占め、種牡馬(産駒)もたくさんいます。

・Tサンデー系
スタミナ・パワーに優れた系統

代表的な産駒:オルフェーブル・ステイゴールドなど

・Pサンデー系
1400m以下の短距離レースが得意な系統。

ディープ系が苦手な芝も得意で、ダイワメジャー産駒はダートもこなせるのが特徴です。

代表的な産駒:アグネスタキオン・ダイワメジャー・フジキセキなど

・Dサンデー系
現役時代はダートで活躍、もしくは現役時代は芝が主戦場でも、産駒としてはダートに向いているタイプが多い系統です。

代表的な産駒:アッミラーレ・ネオユニヴァース・エスポワールシチーなど

②ヘイルトゥリーズン系
競走馬 ヘイルトゥリーズン系

ヘイルトゥリーズン系はパワーに優れており、芝・ダートともに走れる馬が多いのが特徴です。

その系統は、ロベルト系とヘイロー系の2つにわかれます。

・ロベルト系
ロベルト系は、豊富なスタミナとダートでも走れるパワーが特徴です。

瞬発力では劣るので、タフな馬場やハイペースになった消耗戦に強い競走馬が多く、ゴリゴリと力で押し切るタイプが多くなります。

代表的な産駒;グラスワンダー・スクリーンヒーロー・モーリスなど

・ヘイロー系
ヘイロー系の特徴は、スピードとパワーのある馬が多いことにあります。

基本的に得意なのは、短距離~中距離でスピードを活かすレース。ただ、瞬発力よりは速い流れで押し切る形となります。

パワーもあるので、ダートや荒れた馬場でも力を発揮しやすい系統です。

代表的な産駒:タイキシャトル・メイショウボーラー・レッドスパーダなど

③ミスタープロスペクター系
競走馬 ミスタープロスペクター

ミスタープロスペクター系は米国の主流血統ながら、欧州でも名馬を出した系統になります。

米国型はダートを主戦場とし、欧州型は芝適性が高い系統です。

ダート向きが多いフォーティナイナー系、芝で活躍するキングマンボ系、それ以外のミスタープロスペクター系の3種にわけられます。

・フォーティナイナー系
フォーティナイナー系はダート・短距離向きです。しかし、まれに芝・短距離~中距離が得意なタイプもいます。

仕上がりが早いのが特徴で、2歳戦から活躍します。

ダート短距離に強い種牡馬はサウスヴィグラス。対象的に芝で強いのがアドマイムーンです。

この系統は延長ローテが苦手ですが、これに強かったのがアイルハヴアナザーになります。

代表的な産駒:サウスヴィグラス・アドマイヤムーン・アイルハヴアナザーなど

・キングマンボ系
キングマンボ系は、現在の日本競馬においてサンデー系と並ぶ系統です。

持続力とパワーに優れているのが特徴ですが、スピードが弱いのでダートに向いています。

母系の特徴を引き出しやすい系統で、母系が芝血統なら芝向きに、ダート血統であればダート向きになります。

ただ、全体的にはスピード不足になりやすい系統です。

代表的な産駒:ルーラーシップ・アルカセット・エイシンフラッシュなど

④ノーザンダンサー系
競走馬 ノーザンダンサー系

ノーザンダンサー系は世界中で活躍する競走馬を出しており、こちらも米国型と欧州型にわけられます。

欧州型はタフな馬場でも走り切るスタミナが持ち味ですが、スピード不足なので短距離には不向きです。

米国型はダート向きの馬が多く、2歳戦から短距離で走る産駒が多くなります。

欧州型の代表的な産駒:テイエムオペラオー・ホワイトマズル・メジロライアンなど
米国型の代表的な産駒:ヘニーヒューズ・フサイチリシャール・ハードスパンなど

⑤ナスルーラ系
競走馬 ディメンシオン

ナスルーラ系は、ノーザンダンサー系に取って代わられている系統で、現在では活躍する種牡馬も少なくなっています。

ノーザンダンサー系などと同じく、ダートに強い米国型、スタミナ勝負の欧州型、スピード向きの日本型などがあり、日本で強さを発揮しているのは米国型になります。

代表的な産駒:サクラバクシンオー・パイロなど

⑥ハンプトン系
競走馬 ハンプトン系

現在では父系としては残っておらず、母系としてスタミナに強い競走馬を残しています。

その代表的な産駒がサッカーボーイです。現役時代は快速場でしたが、種牡馬になってからはスタミナ豊富な産駒を出しています。

その他、ステイゴールドの母系がこのハンプトン系です。

⑦セントサイモン系
競走馬 セントサイモン

セントサイモンは英国競馬の至宝と呼ばれた名馬です。

その特徴は豊富なスタミナと底力で、現存する競走馬のほとんどがこのセントサイモンの血を持っていると言われています。

ただ、現在は衰退しており、母系として残っています。

⑧マイナー系
競馬

その他のエクリプス系はダート型、スタミナ型などの特徴はありますが、その数は少ないのが現状です。

⑨マッチェム系
競走馬 マッチェム系

マッチェム系はゴドルフィンアラビアンから派生しています。

高いスピード力と持続力が特徴の産駒です。

その代表格といえるのがカルストンライトオで、新潟1000mでいまだに更新されていない最速記録を持っています。

⑩ヘロド系
競走馬 ヘロド系

ヘロド系はバイアリータークから派生した系統です。

メジロマックイーンやトウカイテイオーなどがこの系統になりますが、現在では母系しか残っていません。

メジロマックイーンを母父としているのが、元三冠馬のオルフェーブルやゴールドシップです。